キャリアの始まり
ボランティア留学を終え、げばは結婚した。
そのうち子供が生まれたが育児を頼める人がいなかったため、仕方なく仕事を断念した。
それから20年余り。
家庭にこもっている間に、すっかり社会から遠ざかり、自分は一人で生きていけないだろう。そう思っていたある日、夫が私に仕事してみないかと打診してきた。自分が社会に戻るチャンスである。50歳近かった私は、楽な仕事より、余り人気のない仕事、ブルーオーシャンのマーケットで仕事を探した。人気がない職種の方が、採用される可能性が高いと思ったからだ。そして近くの障害者施設で働くようになった矢先、夫の浮気が発覚。私たちは離婚することになった。
頼れる親はそばにいない。キャリアもない。どうやって子供達といきていけるのか?
とにかく、生きていくために必死で働いた。
そして少しでもお給料をあげるため、勉強して資格をとっていった。
イギリスで仕事しながら取れる福祉士の資格がある。
それはQCF (the Qualifications and Credit Framework)、*2015年ごろからRQF (Regulated Qualifications Framework)に移行。
レベルは
エントリーレベル:基本的な知識、スキル
レベル1:初級
レベル2:中級 HCA ヘルスケアアシスタント
レベル3:上級 Nursing assistant、Student Nursing associate
レベル4:準高等教育 Assistant Practitioner
レベル5:ファンデーションディグリー、アソシエイト Nursing Associate
レベル6:学士(Bachelor’s)レベル Registered Nurse 大学看護学位
レベル7:修士(Master’s)レベル Advanced Nurse Practitioner, Nurse Prescriber
レベル8:博士(Doctoral)レベル 看護学博士(Phd), 研究者、教育者向け資格
レベル3までは仕事をしながらカレッジに通い所得する。
レベル4からはきちんと大学に通い単位をとって卒業しなければならない。
イギリスでナースとして働いている人はすべてレベル6の保持者である。
2020年、コロナが猛威をふるい、NHSの病院には慢性的にケアラーが不足していった。そのころ勤めていたセンターが経営難におちいってやめざるを得なくなった。私が再就職したのがNHSの病院だった。
ナースとして働くための「レベル6」の取り方
イギリスではapprenticeship 見習い制度を利用してナースになることが可能である。Apprenticeshipは働きながら学ぶ制度なので、まず病院やNHS Trustなどの雇用主に採用される必要がある。
現実的な例として、私が実際たどったルートをご紹介しよう。
ステップ1 ヘルス関係の会社、または病院に就職し、仕事をしながらレベル3を所得する。
ステップ2 地元のカレッジ(高校)か会社の斡旋しているカレッジで英語と数学のGCSE (C/4以上の成績)、もしくはfunctional skill level 2を取る
ステップ3 病院で働きながら、NHSJobなどで、Nursing associate apprenticeship, registered nurse degree apprenticeshipなどという名称の求人をさがして応募する
Apprenticeshipは雇用主が学生に投資する制度のため、学生は学費を免除され、給料も支給される。それではこの制度の一般的な応募条件について述べることにする。
1 年齢:基本的に16歳以上なら応募可能。ただし実際には18歳以上が求められることが多い。
2 労働できる資格 永住権 (Indefinite Leave to Remain)、British citizenship, または国内で合法的にはたらけるビザ *学生ビザ(Tier 4/student visa)だけでは不可
3 基礎学力 GCSE英語と数学 (Grade 4/C 以上)または Functional skills level 2(英語、数学)を取得
4 留学生、海外出身者の場合 IELTS Academic overall 7.0 (各セクション6.5以上)/ OET (Occupational English test で必要スコア保持)
5 ヘルスケア経験 (奨励)HCA, Support workerなど医療現場経験1年以上
6 雇用主のサポート 働きながら学ぶ制度なので、NHS病院やケアホームなどの雇用主から採用されることが前提。まず雇用主(スポンサー)を見つける必要がある