昔、
「巨人の星」という野球漫画があった。
主人公の星飛雄馬を素晴らしい投手にするために
父が幼い飛雄馬に強制ギブスをつけた。
このように
負荷を常に与え続けると
とんでもないパフォーマンス
が可能になる。
猫の生態
野生の動物たちは
他の動物たちを食料にして
生きている。
イヌ科であるオオカミは
集団で狩りを行い、
そのチームワークで
獲物を見事仕留めるのだ。
一方、ネコ科は
獲物をじっと待ち、
チャンスが来ると
すごいスピードで
一瞬で獲物を捕らえる。
その名残で
猫は人間に飼われていても
夜になると
もぐらやネズミを、
早朝には
鳥を狩る。
餌をもらっているので、
食料のためではなく、
野生の本能で
捕まえてしまうのだ。
野生の本能との戦い
うちで飼っている猫、
アルフィーもじつに狩りがうまい。
そのうち、
自分がいかに有能か
見せたいのか
(どうかは知らないが)
生きている獲物をくわえ
そのまま家に連れて帰るようになった。
人間はたまったもんじゃない。
だって
獲物を取り逃すことだってあるからだ。
家の中で
夜中に突然
物陰からネズミが走り出てくる、
あの恐怖感!
真夜中のホラーである。
げばは
困って
アルフィーに首輪をつけ、
大きなうるさい鈴を3つ付けた。
こう考えたのだ。
アルフィーの特訓
信じられない事態に
彼は大いに戸惑った。
一足動くたびに
リンと鳴る。
しかも
首輪は外れない。
獲物はとりたい。
でも近寄れない。
げばはそれを見て
ほくそ笑んだ。
これで安心である。
ところが
数ヶ月後、
またもや
アルフィーは獲物を運んできた。
狩りをしている!
えっ!
うそ〜!
どうやって!?
よく見ると
彼が動くとき
鈴が鳴らない。
壊れているのではない。
彼は
鈴が鳴らないように
獲物に近づく
「忍び歩き」の特殊技能を
いつのまにか身につけてしまった。
大リーグボール養成ギブスを付けた星飛雄馬は
恐るべきピッチャーになった。
大きな3つの鈴を付けた猫、アルフィーは
恐るべきハンターになった。