悩みが起こると
夫はひとりで乗り越えようとする。
でもそれが限度を超えると、
酒、女、ドラッグに逃げようとする。
女はこうして乗り越える
男が1人で悩むのに対して、
女はお友達に相談する。
一つの出来事を
1人で抱えていたら
妄想が妄想を生み、
ネガティブの連鎖におちいるが、
人に話すことによって、
外からその連鎖を断ち切り、
妄想を笑い飛ばすことができるのだ。
浮気発見
いちごちゃんが
まだ結婚していた時の話である。
げばに相談を持ちかけてきた。
いちご:「どうやら、ジョージが浮気してるみたいなの。」
げば: 「どうやって彼が浮気してるってわかったのよ?」
いちご:「あの人ってバカなのよねえ。
洗濯しようとして
彼のズボンのポケットを改めたら、
毎回デートのレシートが
いっぱい出てくるのよ。
この間ね、
隣町のxxホテルのレシートが出てきたの。」
げば: 「うっそー!」
いちご:「だからさ、
これは何って
問い詰めたの」
げば: 「うん、うん。」
夫の言い訳
いちご:「彼慌てちゃってさ、
これは得意先の人が泊まった時のやつだっていうの。」
げば: 「うんうん」
いちご:「男の人かって聞くと
「そうだ」っていうのよ」
げば: 「うんうん」
いちご:「遅くなって帰れなくなったんで泊まったんだって」
げば: 「うんうん」
いちご:「あなたも泊まったの?
って聞いたら
「泊まった」っていうのよ」
げば: 「うんうん」
いちご:「あのさ、このホテル隣町だから
あなたは余裕で帰れたよね?
って聞いたら
話が弾んで楽しかったんで、
同じホテルに泊まったんだっていうのよ。」
げば: 「はははは」
いちご:「Invoice(領収書)には
部屋は一つってあるけど、
どうして同じ部屋に泊まったのよって聞いたら、
その日はあいにくツインひとつしか
空いてなかったんだって」
げば: 「ふーん」
いちご:「だから言ってやったわよ!
その部屋は
「Superior double room」ってあるわよ!
そんな超スイートルームでおっさん二人。
さぞ楽しかったでしょうね!」
げば: 「それでジョージはなんといったの?」
いちご:「ああ言えばこう言う!
君はなんてOutrage(ひどいやつ)なんだ!」
げば: 「ふん!」
女のいくさに出発
その後、
いちごちゃんは愛人の住所を偶然発見し、
行ってみると夫がいたのだ。
しかし愛人の姿はなかった。
数日後、
いちごちゃんは
愛人と話をするために
もう一度そこにいくことにした。
でもひとりでは心細い。
そこで
げばに助っ人を頼んだ。
「わかったわ。戦闘開始ね。」
2人は手を取り合い
うなずきあった。
しかし
アパートの近くまできて
「ちょっと怖いよお。
ドキドキする。
タバコ吸いたい」とげばが言い出す。
ふたりはその時、
ノンスモーカーだったが、
タバコを買いに
近くのコンビニに走った。
ヘタレの2人
落ち着いたげばが、
いちごちゃんに語りかける。
げば: 「それで、愛人に何を言うつもりなの?」
いちご:「…. こんにちは…..かな?」
げば: 「….そうね、まずはあいさつよね。」
いちご:「夫がお世話になっております。」
げば: 「ことばは丁寧だけど、
元ヤンキーのあんたがいったら、
別の怖さがあるね。」
いちご:「あの頃はアホやってたよね。」
げば: 「あんた、
そのアホを
また
今からやらかすのよ。」
いちご:「そうかあ….」
げば: 「…..うん….」
いちご:「げば」
げば: 「……うん?」
いちご:「……帰ろうか?」
そういって
2人は
結局
何もせずに
おうちに
帰ってしまった。
妻が愛人を派手に引っ叩くのは
ドラマの話。
実際はこんなもんである。
タバコは体に悪いが
たまにいい仕事をするではないか。
と
げばは思った