一人暮らしの醍醐味は
なんといっても
「自由」
若い時は
そのありがたみがわからない。
「結婚」
というもの
を経験した人こそ
その真価がわかる。
愉快な女子会の始まり
引っ越しも無事終わり
げばがお祝いにやってきた。
手土産は
手作り日本食!
たけのこの煮物
わらびの煮物
自家製いちごジャムとスコーン。
対するいちごちゃんは
大阪名物、
たこ焼き!
たこ焼きは
イギリスの若者の間で
人気上昇中のパーティーメニューだ。
2人は相手の持ち寄ったご馳走に
感嘆の声をあげ
ビール片手に
宴は始まった。
女子会の定番トーク
この2人はよくこうやって
家飲みする。
家の方がくつろぐし、
眠くなっても
お互いの家に泊まっちゃえばいい。
その日はげばから
話題を仕掛けた。
げば:「あんたもやっと独り身になったんだし、
ここらで彼氏でも作ったら?」
いちご:「そうなのよ。会社の子に言われてさ。
今どきはみんなインターネットで
相手を見つけるんだって。」
げば:「へえ!そうなんだ!
いちご:「そんでさ、私も試してみようと
このあいだ、デートサイトに登録してみたの。」
げば:「そうだったの!すごいじゃない!」
いちご:「登録しただけで、何もアクションしてないわよ。」
げば:「あんたなら、すぐ見つかるわよ。」
男の知らない女子会トーク
いちご:「でもね。
恋愛なんて20年くらいしてないから、
忘れてるし、
しんどいなあって思うのよ。
デート用の服もないし。」
げば:「そうなのよ。
それに相手ができても、
ほら、芸能人のXXさん、若い男と結婚したけど、
結局、彼はXXさんの財産目当てだったじゃない?
いちごちゃんもフラット買ったし、
それ目当ての男が寄ってくるかもよ。」
いちご:「じゃあ、うんと年上で、
お金持ちの人なら大丈夫?」
げば:「だめよ!」
いちご:「なんで?」
いちご:「はははははははhhaha〜🤣」
いちごちゃんは
げばの発言に死ぬほど笑った。
理想の恋愛は「%$#」
いちご:「じゃあさ、げばは恋愛したら
結婚するの?」
げば:「せっかく自由を手に入れたのに
そんなことしないわよ。」
いちご:「私の理想の恋愛はね、
それぞれちゃんと家を持ってて、
仕事もきちんとして、
でも
たまに、会って
いっしょに
食事したり、
飲みに行ったり、
旅行に行ったり。
でも
結婚はしない。
こう言うのがいいな。」
げばはたこ焼きを一つ摘んで、
こういった。
いちごちゃんは
ハッと我に帰った。
言われてみるとその通り。
まったく
50代というのは
ややこしい年代である。
げば:「それにさ、一つ大事なことがあるんだよ。」
いちご:「何?なに?」
げば:「あのね、私らが男たちをなんだかんだ難癖つけてるように、
あっちにだって、女を選ぶ権利があるんだよね。」
少し酔っ払ったげばの
レクチャーが始まった。
いちごちゃんも負けずに返す。
「まあ、わたくしはいつでも素敵ですわよ。」
その日、
いちごちゃんとげばは、
冗談混じりの恋愛論を
酒を酌み交わしながら
あーでもない
こーでもないと
楽しく語り合ったのだった。