「私、もうお肉食べない!」
ハンバーガーや、サラミ、照り焼きチキンなんかを食べていた
「お肉大好き少女」だったみかんちゃんが、
ある日、宣言した。
やぶから棒に何を言い出す?
よく聞くと、
家畜に対する、農家の姿勢を見て
肉になる動物が可哀想になったらしい。
私も、鶏が一方方向に並んで
餌をコンベアーで与えられ、
全く身動きの取れない状態で
ただ卵を産むだけのChicken Factoryを見たことがある。
そこでは、にわとりの生き物としての権利などない。
私もその映像を見て、
安い鶏肉や卵を買うのをやめて
オーガニックの食品を選ぶようになった。
Chicken Factoryの惨状が続いているのは
消費者が安い鶏肉や卵を買うからである。
一人一人がちょっと高めだけど、
質の良いものを買うようになれば、
安い商品を扱う生産者、
つまりニワトリを苦しめてお金を稼ぐ、
生き物を商品、モノとしか見れないものはいなくなる。
ハラールミートとの出会い
ここ、イギリスの病院は
毎日、明日の食事のオーダーを聞く。
オーダーといっても、病院食なので、
レストランみたいには行かないが、
可能な限り、患者さんの希望を聞くようにしている。
インド人の患者が入院してきたとき、
見慣れないメニュー、「ハラールミート(Halal meat)」
というのを指定してきた。
普通のオーダーリストにはない
「特別メニュー」である。
カレーかな?
と思っていたら、
やっぱりインドのカレーだった。
隣のベッドの患者が羨ましそうに見ていた。
「僕もハラールがいいな。」
そうリクエストしてきたが、
残念ながら、
ハラールミートは他の食事が
宗教上許されない、
イスラム教徒だけに、だされる特別メニューなのだ。
イスラム教徒は
知っての通り、豚を食べない。お酒を飲まない。
ああ、ハラールって豚肉を抜いた食事なのね。
この程度の認識しかなかった。
ハラールミートって何?
ハラールミートになる家畜は
喉のあたりを一瞬で切られ、素早くころされる。
電気ショック、締殺、撲殺などは禁止、
そして事故や病気で死亡した家畜も食用禁止。
血も食してはならない。
食肉の保管場所や、輸送する乗り物に豚が一緒に同乗してはいけない。
家畜の餌も豚のフンが混じっていたら使用禁止である。
そして厳密なイスラム教徒は
味付けのためのアルコールもご法度である。
そういえば、
イスラム教徒のお家で
子供と共に、
ランチをいただいたことがある。
その時、
もし食事が子供に合わなかった時を考えて、
ハムサンドも持っていった。
なんの気無しに出したサンドイッチを
友人がものすごく嫌がっていたのを覚えている。
その時はわからなかったが、
今になってみると、
本当に申し訳ないことをしたと思ったものだ。
食用肉の新しい考え方
ハラールの宗教的規則にはこうも記されている。
この考えは
家畜の肉をいただいて
命をつなぐ私たちが
食べられる家畜に対して行う
最低の礼儀ではなかろうか?
私はイスラム教徒ではないので
豚肉も食べるし、お酒もいただく。
しかし
ハラールの考え方は好きである。