かわいい魔女ジニー(I Dream of Jeannie)を知っているだろうか?

宇宙飛行士、トニーが南の島で拾った壺。

その壷の封印を解いたら

かわいい魔女が現れる。

魔女は

トニーを主人と崇め、

彼についてアメリカに渡り、

共同生活を始める

という

ファンタジーコメディーである。

お姉ちゃんが学校に行った後

妹のみかんちゃんが

まだ学校にあがってなかったころである。

お姉ちゃんのりんごちゃんは

学校に行っているので、

みかんちゃんの遊び相手は

お母さんのげばとネコだった。

お母さんは

ものぐさだから

あんまり遊んでくれない。

ネコは時々遊ぶが、飽きるといつも寝ている。

そういう彼らを

みかんちゃんはよく知っているので

彼女は

1人で

ぬいぐるみとか

お人形とかで

遊んでいた。

人形に服を着せたり、

食事させたり、

みかんちゃんも忙しいのである。

あの頃、

お昼の時間帯に

「かわいい魔女ジニー」が再放送されていた。

ジニーが始まるよ

りんごちゃんを学校に送り届けて、

家事をしたりして慌ただしい午前中が終わり、

ゆっくりと2人はランチを食べる。

ちょうど食べ終わった頃、

テレビで「かわいい魔女ジニー」が始まるのである。

みかんちゃんとげばには

暗黙の了解があった。

ジニーのイントロが始まったら、

何をしていても

駆けつけなければならない。

げばは外で洗濯物を干していた。

みかんちゃんは

お人形にミルクをあげていた。

ジニーのイントロを聴いた瞬間

げばとみかんちゃんは

全ての作業を中止する。

2人は手を取り合って。

セレモニーをするのだ。

お昼のセレモニー

シャンシャン🎵シャンシャン🎶シャンシャンシャシャン🎵」

オープニングである。

軽快な音楽に乗って、

げばとみかんちゃんは手をつなぎ、

つないだ手を上げたり下げたりしながら

輪になって

ぐるぐる回る。

つまり

一緒にダンスするのだ。

何回回れるかは

その日の気分によって変わる。

もちろん

げばは

円の中心で

「回す人」であり、

みかんちゃんは

「回される人」である。

だから

げばはあまり動かなくていい。

しかし

曲がサビの部分になると

げばは

みかんちゃんの手を少し高い位置で握る。

そうすると

みかんちゃんの体が空中に浮き、

遊園地のアトラクション、

「空中ブランコ」(Swing ride)

になる。

みかんちゃんは

キャッキャ喜んだ。

げばも

ノリノリである。

今考えると

恐ろしいことをしていたと思う。

一歩間違えると、

ハンマー投げになってしまう。

体力のある親しか

やってはいけない技である。

この曲はオープニングなので

すぐに終わってしまう。

お昼のセレモニーを終えた

2人は手を離し、

各々、中断していたところに帰っていく。

げばは洗濯物を干しに戻り、

みかんちゃんは

お人形にミルクをあげる。

この「お昼のセレモニー」は

みかんちゃんが学校に上がって

自然に消滅した。

今ではすっかり大きくなったみかんちゃんは

このジニーの曲を聞くと

あの時のセレモニーを思い出すという。

げばは飼い猫、アルフィーを抱えて

久しぶりに「お昼のセレモニー」

の真似事をしてみた。

彼の顔は恐怖でひきつり、

しばらくげばに近寄らなかった。

投稿者 geba-

21年の国際結婚にピリオドを打ち、今現在シングルアゲインしています。この生活は思った以上に快適で、NHSの病院で働きながら、漫才みたいな生活を楽しんでいます。女子トーク、イギリス生活、そしてシリアスな人生観を書いていきます。

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