株への目覚め
「使わないお金を銀行に眠らせてるのなら、株を買わない?」
チェリーちゃんは60代の元気一杯女子。
彼女は娘に再三こう誘われている。
株のオンライン会社の重役であるチェリー娘ちゃんは、ケンブリッジ大学出身の超エリート、可愛くて優しくてパーフェクトなキャリア女子。
でもめんどくさい病のチェリーは娘の意見をのらりくらりかわしている。
そこへ新し物好きのげばがやってきた。
げば: 「ねえチェリーちゃん、私やってみたいなあ。」
チェリー: 「げば、あのね、株ってギャンブルみたいなもんよ。」
げば : 「物によるでしょ? 大金なんて私もないから、損してもいいやって金額で10年くらい置いてみたい。」
げばがなぜ株に興味を持ったか?
それはあるニュースを聞いたから
つまり、
その当時1円預けて利率は年6%の福利で運用100年後には300倍という謳い文句だった。
銀行は遺族にその通りの金額を支給。
その金額、339円
あの当時で1円といえば、5000円ほどの価値がある。
だから
もし投資したのがお金ではなく
株だったら?
5000円の値打ちのある株を買って100年放置していれば…………..今ごろ…….
とまあ
こんなニュースだった。
株投資は危険
株は素敵である。
貨幣みたいに裏切らない。
しかし
今はなんでもオンライン化。
もちろん投資もオンラインでやるのが当たり前の現代。
メカに弱くて、
それなりに貯金のあるシニア世代は
詐欺師のいい標的になる。
詐欺師の手口はそういう世代をターゲットにして
ある程度のお金を投資させ、
いい福利で投資者に返す。
それが投資者にとって「信用」となり、
ある人は退職金などで得た大金をその詐欺会社に注ぎ込み、
最後に詐欺師は行方をくらます。
用心しているはずなのに
自分は大丈夫と思っていたのに
騙されてしまう。
株投資のリスク
もう一つある
真っ当な株を買ったとしても
株というのは当然、上がる時もあれば下がる時もある。
上がるときは良くても
下がり始めた時の喪失感。
お金の数字が何もしないのにどんどん減っていく感覚は
株に慣れていないシニア世代には眠れない原因となる。
また株が上昇して、売る時期を逃し、そのまま亡くなってしまう人が多いという事実。
株をお金に変換しないで、
つまり、楽しまないで亡くなるなんて
なんという不条理!
舌切りすずめのお話
舌切りすずめのお話をご存知だろうか
おじいさんが可愛がっていたすずめのちゅん子の話。
ある日お腹が空いていたちゅん子は
おばあさんが作っておいたのりを全部食べてしまった。
起こったおばあさんはのりを食べたちゅん子の舌を切ってしまう。(どうやって切ったんだ?)
舌を切られたすずめは(虐待されたので)おうちに帰ってしまった。
悲しんだおじいさんはすずめのお宿を訪ねる。
優しいおじいさんはすずめの大歓迎を受ける。
帰る時、すずめはお土産に大きいツヅラと小さいツヅラを出してきて、どちらでも好きな方を選ぶように勧める。
おじいさん「ありがとう。わしは年寄りだから、
自分の肩に背負えるだけのものをいただこう。」
さておじいさんが家に帰って、ツヅラを開けてみると、
大層な宝物がどっさり入っていた。
ことの次第を聞いたおばあさん、
「なんで大きい方をもらってこなかったのよ。そしたらもっと宝物がもらえたのに」
このセリフ
大事です。
多くの女性はほとんど夫にこう言ってしまう。
「夫は役に立たない!私が大きい方をもらって来なきゃ」
おじいさんは恐妻家だった。
すずめのお宿を訪ねて、話もそこそこ。
ツヅラを早くお出しと脅迫する。(やっぱり虐待)
すずめの出す大きいツヅラと小さいツヅラ。
おばあさんは迷うことなく大きいツヅラの方を選ぶ。
ツヅラはとても重かった。
耐えきれず、帰り道で一休みするおばあさん。
「どれ、ちょっくらお宝を拝んでみようかい」
とツヅラを開けると
中から恐ろしい化け物がいっぱい現れ、おばあさんは腰を抜かしてしまう。
このお話は
怒って大変なことしてはいけませんよー (すずめの舌を切る)
欲を出してはいけませんよー (大きいツヅラを無理やりとる)
という教訓のお話だった。
株への教訓
このお話の場合、
確率として4つのツヅラがある。
大きな宝物のツヅラ
小さな宝物のツヅラ
小さな化け物のツヅラ
大きな化け物のツヅラ
大きなツヅラは当たる(宝物)とでかいが、はずれると(化け物たちに)殺されてしまうかもしれない。
小さなツヅラは、当たったら(宝物)嬉しいレベル。はずれ(化け物)ても、もしかしたら小さい化け物だからなんとか勝てるかもしれない。
これを株に置き換えると
大きい金額の投資は当たると大儲けするが、失うリスクも大きい。
小さい金額の投資は当たるとまあそれなりに嬉しい。暴落しても、余り金の投資だから、生活に支障なし。
舌切りすずめのおじいさんはいいこと言っていた。
私はこの教訓を守って
小さなツヅラ投資を始めたのである。