70年代の小学館、学年誌で女子に人気のバレエ漫画があった。

作者は谷ゆき子。

彼女の執筆した「星」シリーズは

あの頃の女子がこぞって読んでいた。

さよなら星、かあさん星、まりもの星……

主人公は努力家の美少女、バレリーナ。そして

美少女の尊敬する人はお母さんで、

必ず、記憶喪失!

この状況は

このシリーズのいわば

「おやくそく」だった。

70年代のバレエ漫画

この「星」シリーズは

小学館の学年誌で

看板と言っていい作品だった。

ヒロインは

道徳の教科書を体現しているような

品行方正、

正直、

努力家、

礼儀正しい….

言い換えれば

うさんくさあ!

こんな子いねえよ

というような女の子。

そして何かあると

すぐ泣く。

今考えると、

こいつは….

「ぶりっこ」の典型みたいな女だった。

それでも読んでた「ぶりっこ」の漫画

小学校の時、

学年誌は

家に届けられていた。

ある日、

学年の違う友達の学年誌を読んだとき、

やっぱり谷ゆき子の「星」シリーズも掲載されていた。

しかし

学年が違うため、別の「星」シリーズだった。

その時のお話である。

ヒロインは自分の所属するバレエ学院の

別の生徒から

嫌がらせを受けていた。

よくあるシチュエーションだ。

上から

ツボが落ちてくる!

⚬⚬ちゃん!

危ない!

ヒロインのいい子ちゃんぶりが

大嫌いな女の子(悪役)が

彼女めがけて

上からツボを落としたのだ。

(えげつないことをする)

と思いながら、

ページをめくると

ヒロインの亡骸…もとい

ヒロインの泣き顔と一緒に

お決まりの文句で結ばれていた。

⚬⚬ちゃんは

一体

どうなってしまうのでしょう……

ー続くー

この「星」シリーズは

学年が違うので

続きを知ることなく

そのまま

何十年も経った。

今でもこの話が忘れられない。

自分の学年誌に出ていた

「まりもの星」より

よく覚えている。

彼女の頭にツボが落ちてきて、

どうなる?

ー血を流して倒れるのか?

ー誰かが間一髪で彼女を守るのか?

ーはたまた頭を打った彼女が記憶喪失になるのか?(70年代だなあ!)

ああ….

もどかしや。

どうして

こんなに続きが気になるんだろう?

忘れられないひと(女)になる方法

ネットの恋愛講座を見ていると、

「あなたのことを

相手が忘れられなくなる….

そんなテクニックを教えます」

というのがあった。

それは

途中でやめる(未完成効果

だそうだ。

ひとは必ず

やり始めたことを

完全に終わらせようとする生き物である。

韓流ドラマを一話だけでやめるつもりが

最後まで見ないと気が済まなくなって

徹夜しちゃうとかは

あなたの意志が弱いのではなく、

人間とはそういうものなのだ。

甲斐バンドの曲で

Fairy(完全犯罪)というのがある。

🎵軽い気持ちで声をかけたら

火傷どころか

俺はめちゃめちゃ

(中略)

🎶俺と愛を踏みにじったまま

消えちまって証拠隠滅

まるでゴースト

煙のように

あっけなく

彼女いなくなっちまった

🎵Fairy Fairy

あの横顔が

……..忘れられない

……..なるほど

この歳になって

初めてわかった。

わたくしは

知らず知らずの間に

「未完成効果」によって

漫画の続きが

何十年も

気になっていたのだ。

「未完成効果」

恐るべしである。

投稿者 geba-

21年の国際結婚にピリオドを打ち、今現在シングルアゲインしています。この生活は思った以上に快適で、NHSの病院で働きながら、漫才みたいな生活を楽しんでいます。女子トーク、イギリス生活、そしてシリアスな人生観を書いていきます。

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